No.14 ところで素地調整(ケレン)はどういう工程?
素地調整(ケレン)は剥がれないように、あるいは塗料の密着性を上げるために 行う工程とお伝えしました。塗膜を長持ちさせるために素地調整はとても重要なものです。では、どのような工程なのでしょう。
現場では素地調整のことを(ケレン)と呼ぶのが一般的です。ケレンの語源は諸説ありますが清掃するの意味合い説が有力のようです。ケレンとは「素地表面を清掃する」ということになりますね。
それではケレンはどの工程で行うのでしょうか。一般的な住宅塗装現場の施工フローは下記の通りです。
足場の架設 ➡ メッシュシートや各部所の養生 ➡ ケレン ➡ 水洗いや脱脂による表面洗浄、清掃 ➡ 塗装工程(下塗り、中塗り、上塗り等)
塗装工程前にケレンを実施し洗浄、清掃を行い準備完了となります。
ケレンとは、各種器具を使用し、浮いたり剥がれかけた旧塗膜層の除去、藻コケ埃等の堆積物が素地に付着した密着阻害物質の除去、および、サンドペーパー等での素地面の目粗し(めあらし)を行い塗料の密着性を高めるなど、素地面を塗装に適した状態にする工程のことです。また、素地から発生する錆やエフロレッセンスの除去などもケレン工程に含まれます。塗装現場によって素地の状態はケースバイケースなので、有効的かつ効率的なケレン工程の選択が必要になります。
ケレンが不十分な素地に塗装を行うと、早期に膨れ・剥離・変色等の塗膜欠陥につながる場合があります。工期が決められた塗装現場においては、時にケレンが簡略化され、その結果、塗膜事故につながるケースもあります。従って、施工管理者は現場の状況でどのようなケレン作業が必要か判断し指示することが肝要になります。
次のコラムはどのようなケレン作業があるかについてお話します。
No.13 建築部材の素地調整の種類(目的)はなに? (その2)
前回コラム №12 で建築部材の躯体は大きく3つの素地(金属系、無機質系、木質系)に分類され、素地そのままで塗装しないケースと塗装するケースがある。とお伝えしました。
金属系素地では表面処理されたメッキや鋼板、無機質系素地ではブロック塀やパーティクルボード等は塗装しないケースが多いと思います。
色を変更したい、防錆効果をUPしたい、抗菌性能を持たせたい等、素地に対して塗料の機能(美観・保護・特殊機能)を付与させることを目的に新設時の素地に塗装を行うケースが大半です。
それでは新設の素地面に塗装する際の注意点は何でしょうか?
金属系素地、無機質系(セメント系)素地、木質系素地 それぞれの素地の特性を考えてみます。
- 金属系素地・・・一般的に表面は緻密、含水なし、吸い込みなし、ほぼ変形しない、腐食する。
- セメント系素材・・・一般的に表面は多孔質、含水少ない、吸い込みあり、ほぼ変形しない、腐食しない。
- 木質系素材・・・一般的に表面は繊維質、含水あり、吸い込みあり、変形する、腐食する。
さて一番塗りにくそうな素材は何でしょう?
筆者は一番目が木質系、二番目が金属系、三番目がセメント系と考えます。
「塗りにくそう」というのは「塗っても剥がれそう」ということ。
剥がれないように、あるいは塗料の密着性を上げるために行う工程が「素地調整」になります。
No.12 建築部材の素地調整の種類(目的)はなに?
前回コラムで下地処理は塗装のかなめとお伝えしました。
一般的に、建築塗装の下地面は、建物の躯体素地に直接塗装する場合(初回塗装)と以前に塗装された旧塗膜が残った面に塗装する場合(塗り替え塗装)のふたつがあります。
まずは、躯体素地に直接塗装する場合(初回塗装)について考えてみましょう。建物の躯体素地の種類は多岐にわたります。一般的に塗装しないプラスチック素材を除外すると、大きく3つの素地(金属系、無機質系、木質系)に分類されます。
●金属系 :普通鋼板・亜鉛メッキ鋼板・しんちゅう・アルミニウム・ステンレス 等
●無機質系【現場施工】コンクリート・モルタル・石こう板 等
【工場加工(窯業系)】ALC・PC板・フレキスブル板・コンクリートブロック・プラスターボード等
●木質系 :木材・合板・フローリング・繊維板・パーティクルボード 等
上記の通り、建物の躯体素地の種類は多岐にわたりますが、すべての躯体素地で塗装が必要となるわけではありません。躯体素地そのままで美粧性や耐久性を持ったものもあります。塗装するケースが多い部材と塗装しなくても良い部材とに分かれます。
塗装に求められる性能は素地ごとに分かれます。金属系の場合は第一に防食性でしょう。無機質系の場合はセメント主原料が多いため、美装性にくわえ中性化防止や多孔質素材のため防水性が求められるのではと考えます。木質系の場合は防水性、防腐性、ヤケ防止に加え、木目を活かした美装性、防虫性などが求められます。
また、素地の部位によっても内装・外装、降雨、日向・日陰、高温・低温、乾燥・多湿など環境影響により要求も変わってきます。これらの要求に対応する塗料設計が求められることになります。
No.11 下地処理の必要性
下地処理は塗装のかなめと言っても過言ではないと思います。塗装を行うえで欠かせない工程が、「下地処理または素地調整(ケレン)」です。塗装が成功する(期待される塗膜の耐久性が保持される)ためには、適正な塗料を使うこととその塗料に適した素地調整(ケレン)を行うことが大切です。
素地調整(ケレン)が塗装で重要な理由は、塗膜事故の大半が素地調整(ケレン)に起因するとの報告もあるからです。弊社の塗料事業においても現場で起きる塗膜の欠陥(膨れ・剥がれ)は素地または旧塗膜に起因するケースあります。
下地処理または素地調整(ケレン)のポイント
躯体表面の状態が塗装して密着する面であるかどうか、金属面の発錆、旧塗膜面では剥がれ、浮き、砂埃、汚れ、藻やコケの付着など「密着阻害物質」が素地に残った状態で塗装を行ったら、塗装事故が発生する頻度が上がります。「下地処理または素地調整(ケレン)」が完璧であれば、塗装が成功する確率は上がると思います。
次のコラムでは 素地(調整)の種類についてお伝えしようと思います。
No10. 塗装における重要な工程は何?
前回コラム2回にわたって塗装の良し悪しを決める第一の条件「塗料」についてお伝えしまたが、塗料の種類は幅広くほんの一部です。
用途に適した塗料を使用したら良い塗膜になるのは当然!はたしてそうでしょうか。
ここでは、良い塗膜にするために重要な工程「塗装」(環境条件と塗装されるもの(被塗装物))についてお話します。
塗装を行うとき何を考えますか?塗装したい場所(または塗装されるもの(被塗装物))の変化ではないでしょうか。
塗装したい場所に 塗料の機能(美観・保護・特殊機能)を付与させるため に塗装を行うのが一般的です。
塗料の機能を発揮した塗膜を形成するために重要な工程が塗装です。当たり前ですが・・・
当社のメイン事業である戸建て住宅の塗装でみてみると、塗装箇所は住宅の全面塗装、部分塗装、外装部分、室内部分とさまざま。
一般的には、外装塗装がメインですので外装部材の被塗装物の一例を示します。
【住宅外装部材の一例】
屋根部材 | 外壁部材 | パラペット |
---|---|---|
樋 | 庇 | 基礎 |
雨戸、戸袋 | 手すり | 笠木 |
破風 | シャッター | 門、門扉 |
玄関ポーチ | アプローチ | 等 |
各部材の素材は、セメント系、瓦、窯業系、サイディング、金属、プラスチック、木工、コンクリートとさまざま。
素材に適した 塗料の選定はもちろんですが、塗装される被塗装物の表面状態(旧塗膜の有無や密着度合、表面凹凸や劣化状態)を把握することが塗装においては重要です。
目視確認だけでは表面状態の良し悪しを判断するのは難しいです。
被塗装面が何か?基材に密着?浮いた塗膜や埃、汚れ、藻コケ等塗料の密着を阻害する物質の有無?シンナー成分で溶解するしない?等の確認と調整が必要です。
そこで必要な工程が下地処理(ケレン)工程です。
次のコラムではこの下地処理についてお伝えしようと思います。
No9. 塗料についてさらに詳しく
前回コラムで良い塗料(内容物)は3つの必須条件を備え、用途に適した塗装系と説明しました。
この表現だけではいささか大雑把すぎるかも・・・
もう少し塗料について掘り下げてみましょう。
塗料や塗装を複雑にしている一つの要因は、さまざまな下地素材に対応した下塗り塗料が多数あり、耐候性や意匠性を良くした中塗り、上塗り そして塗装系も多岐にわたっていることが言えます。
別の要因では、塗料自体が水系と溶剤系に大別されること、物理的に乾燥・硬化の過程が違うことも解かりにくさと言えます。
乾燥・硬化の過程においては大気中に揮発する成分と塗膜となる成分とに別れ、揮発する成分が有機溶剤が大半、もしくは全て、であれば溶剤系塗料、水が大半、もしくは全て、であれば水系塗料とに区分されます。
かつては速乾性でTX(トルエン、キシレン)リッチな強溶剤塗料もありましたが、昨今の環境問題への対応で弱溶剤化、水系化にシフトしています。
塗膜になる過程も様々です。
塩化ビニル樹脂のようにシンナーである溶剤成分が揮発することで塗膜になり、その塗膜をシンナーで溶かすと塗膜が溶け出し元に戻る(可塑性)物や、2液混合タイプのエポキシ樹脂やウレタン樹脂のような主剤と硬化剤を混合し、化学反応で塗膜硬化するもの(硬化性)や、水系塗料のような、水が蒸発しエマルジョン粒子が濃縮圧着(融合)して膜を形成するものなど様々あります。
塗料、塗装工事を複雑にしているのは上記と重複しますが、あらためて塗料の種類が多いことです。
塗膜となる主成分の油脂や合成樹脂の種類が多く、それに加え分類も多岐にわたります。
弊社が取り扱う戸建て住宅塗装工事においてだけでも下記のような分類になります。
被塗物
セメント用、金属用、プラスチック用
塗料分類
アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ塗料、ウレタン塗料、フッ素樹脂、強溶剤系、弱溶剤系、水系
塗料状態
1液タイプ、2液混合タイプ、水希釈あり、既調合塗料、シンナー、エマルジョン、調合ペイント
性能
錆止め塗料、防藻・防カビ塗料、抗菌塗料、防汚塗料、耐火塗料、等
塗膜外観
艶有、艶消、透明、不透明、エナメル、多彩
用途
下塗用、中塗用、上塗用、内装用、外装用
塗装方法
ローラー、刷毛、吹付、
塗料分類を深掘りするとキリがありませんのでこのへんで。
塗料の選定は各塗料メーカーが推奨する塗装仕様が望ましいのはもちろんですが、なんといっても現場での施工実績が一番の判断材料と言えるのではないでしょうか。
塗料(内容物)自体は半製品ですので塗膜になってからが勝負です。
良い塗料と良い塗装で十分な施工実績があるものを選ぶことが重要と思います。
業務委託員募集のお知らせ
業務委託員募集のお知らせ
内容
【住宅メーカーと取引】
住宅の塗装工事・防水工事の事前調査や点検及び着工後の検査等の業務を委託します!
対象者
個人事業主の方、フリーター、一般の方でも可
※建築足場に上がることがあります。
※未経験の方でも歓迎です。点検や検査方法は当社で丁寧に教育いたします!
※当社と委託契約を結んでいただきます。
活動地域
福岡県です。北九州地区を除くエリアです。
報酬
1カ月の想定収入(完全歩合制)
一般的なモデルケース:40万円/月
※実施件数に応じて変わります。
※繁忙期・閑散期がありますので、時期によって金額・件数は変動します。
※上記の実施件数に応じた報酬の支払いとなります。
※車両・ガソリン代、各種保険、その他諸経費は自己負担となります。
※お客様の都合で土曜日・日曜日・祝日業務も発生します。
業務内容
ハウスメーカーさんの戸建リフォーム業務サポートが主な業務です。
知識を習得し、慣れるまでの間は点検業務がメインになると思いますが、専門知識は弊社社員がじっくり指導しますので、安心して下さい。
③~⑤は慣れてからの業務になります。
①建物の点検作業です。
高所点検カメラを使用し、建物の屋根・外壁等の劣化状況を撮影します。基本的には報告書のフォーマットに基づいて撮影して頂きます。使用する点検カメラは貸与します。
②撮影した写真を点検報告書にまとめます。
報告書用のフォーマットがありますので、それに合わせて作成して頂きます。作成に使用するソフトはExcelです。パソコンは準備して頂きます。出来上がった点検報告書はメールにて提出して頂きます。報告書を紙媒体で郵送等でのやり取りする必要はありません。
③着工前打ち合わせをお願いします。
現場がスタートする前に、仕様書に基づいて元請け様や関係業者様との最終確認をお願いします。
④現場の巡回をお願いします。
施工中の物件を巡回します。安全基準・施工仕様等に問題が無いかチェックします。巡回時も写真撮影し、フォーマットに合せて報告書の作成をお願いします。
⑤検査 等
完了した現場の完了検査をお願いします。元請け様の工事監督者と時間を合わせて検査をお願いします。検査時も各部所の完了写真の撮影をお願いします。
お問い合わせ
九州地区 092-781-3555 担当 白木
No8. 良い塗料(内容物)とは?
前回コラムで塗料自体(内容物)と塗装条件(環境や条件)、そして塗装されるもの(被塗装物)が良い条件でそろってこそ、塗料の価値が発揮されるとお伝えしました。
それではまず塗料自体(内容物)の良い条件とは何でしょう。
明治期までは漆や柿渋やペンキ(ボイル油)などの自然由来の塗料が主流でした。
1950年代になって合成樹脂塗料の台頭で塗料メーカーが増えて、塗料の種類も飛躍的に増加してきました。
各塗料メーカーから様々な塗料が商品化されて、汎用品から高級品まで様々な塗料が流通しています。
どんな高価な塗料であっても塗料としての条件を満たしていることが大事になります。
塗料としての条件とはいったい何でしょう。塗料といえるためには 最低限3つの条件が挙げられます。
➀ちゃんと塗ることができること(均一な粘調な液体状態である)
②ちゃんと密着すること(被塗装面にくっつく)
③ちゃんと塗膜に変化すること(液体から塗膜に変化)
しごく当然のことですが塗料の必須の3つの条件と言えます。
「塗料が容器内で固まっている」、「密着しない」、「塗膜にならない」
というのは塗料の価値を発揮しないばかりかトラブルの原因になります。
上記の条件を満たすことは塗料としての必須条件です。
必須条件を満たした上で良い塗料として重要なことがあります。
それは、用途に適した塗装系です。塗装系とは下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料といった組み合わせ塗装仕様のこと。
塗装系は各層の役割分担で被塗装物を被覆して塗膜効果を発揮します。
例えば、下塗り用塗料を上塗り塗料として使用したら塗膜効果が得られないばかりか剥がれ・膨れ・変色などのクレームにつながる恐れがあります。
従って、良い塗料(内容物)とは上記の3つの必須条件を保ち、用途に適した塗装系の塗料であることと言えます。
No7. 塗料の良し悪しとは?
前回コラムで塗料には「美観・保護・特殊機能」があって、建て替えるより安価で建物の躯体を保護し、かつ塗膜の特殊機能が期待できるメリットをお伝えしました。
塗装工事完了後は、塗膜が期待通りにメリットを発揮してほしいものです。
ただしまれに塗膜が剥がれたり膨れたりする場合があります。
キレイな塗膜を得るためには、塗料だけでなく他にも何か条件が揃う必要があるようです。
塗膜の話をする前に、もういちど塗料の定義について考えます。塗料の定義はさまざま謳われています。
一例を挙げると
「塗料とは、流動性をもち物体の表面に塗り拡げられて薄い膜となり乾燥するとその面に固着し、その物体の保護・美装およびその他の特殊性能を持つ連続膜(個体)となるもの」
とあります。
要約すれば物に塗料(液体)を塗って個体(塗膜)にして価値を発揮させるということですね。
お伝えしたいことは、当社は塗料も販売していますが、真の価値は塗膜になってから発揮するということです。
・・物体の表面に塗り拡げられて薄い膜となり、乾燥するとその面に固着・・ とは塗装工程において行われます。
したがって、塗料の良し悪しとは塗料自体(内容物)と塗装(環境条件)そして塗装されるもの(被塗装物)の各要素が良い条件で揃ってこそ、その価値を発揮するということ と思います。
塗料の難解さは、このようにさまざまな要素が揃う必要があるということかもしれません。
No6. なぜ塗装するのですか?
今回のコラムから、塗料と塗装 について(わかる範囲で)お伝えしたいと思います。
当社は藤倉化成という化学品メーカーの子会社になります。親会社の塗料を製造する工場と塗料販売、塗装工事の施工管理を生業としております。従って、塗料の研究開発における最新のうんちくまでは持ち合わせておりません。お伝えできることは、塗料の製造・販売・施工に長年携わってきた立場から塗料の変遷と良し悪しについてになります。
次回も引き続き塗料についてお話します。